FOR STUDENTS / 腫瘍内科を知る

「延命に意味はあるのか」
大腸がん薬物療法の30年

大腸がんでは、治癒や再発予防を目指して、手術の前後にも薬物療法を行います。遠隔転移があっても、 薬物療法で切除可能になれば、治癒を目指せることがあります。
一方、切除不能な転移性大腸がんでは、がんを抑え、生存期間を延ばすことが薬物療法の主な目的になります。 実習で薬物療法を見て、「結局は延命で、治す治療ではない」と感じた人もいるでしょう。
それでも、生存期間を延ばす治療には意味があります。症状を和らげ、生活を保ち、次の治療につなぐことも、 薬物療法の大切な役割だからです。30年の治療成績をたどりながら、生存期間を延ばすことの意味を考えます。

01 / 大腸がんの罹患数と死亡数

男女計のがん罹患数、第1位。
女性のがん死亡数、第1位。

大腸がんは、どの診療科に進んでも出会う病気です。

154,039
年間罹患数(男女計)
全国がん登録 2023年
54,416
年間死亡数(男女計、部位別第2位。女性では第1位
人口動態統計 2024年
69.9%
5年相対生存率(大腸がん全体)
全国がん登録 2018年診断例
17.2%
5年生存率(診断時に遠隔転移あり)
全国がん登録 2017年診断例(純生存率)

※相対生存率と純生存率(ネット・サバイバル)は算出方法が異なり、診断年も同一ではないため、上の数値どうしを直接比較することはできません。

臨床病期別 5年相対生存率

全国がんセンター協議会加盟施設の2011〜2013年診断例(結腸9,050例、直腸6,955例)。専門施設の集計であり、全国集計ではありません。

結腸 直腸
患者さん・ご家族の方へ。このページは医学生・研修医向けの特集です。生存率は集団の統計であり、個々の見通しを示すものではありません。 病気や治療の一般的な情報は、国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん」をご覧ください。ご自身の治療については、担当医にご相談ください。

02 / 30年を、手で動かしてみる

数字で見る、
大腸がん薬物療法30年の歴史。

スライダーを動かすと、代表的な臨床試験の結果を年代順に見られます。 緑のバーは、全生存期間中央値(mOS)を示します。

1993
BSCがコントロールだった時代

5-FU/LV群のmOSは11.0か月、BSC(支持療法)群は5.0か月でした。

19932000201020202026
代表的報告 5-FU/LV ベースの薬物療法 Scheithauer BMJ 1993(vs 支持療法 5.0か月)
11.0 か月

破線 = 1993年試験の支持療法群(5.0か月)

バイオマーカー別の代表的な報告(指標はmOS/PFS)
あなたが生まれた年を入れてみてください。

この年までに報告された主な臨床試験(新しい順)
数値を表で見る(出典つき)
「年」は学会発表を含む初報告年。「主な結果」は指標を先頭に示しています(m=中央値)。HR欄の(主)は主要評価項目、(副)は副次評価項目または探索的解析であることを示します。数値は各試験の最終解析または最新の報告に基づきます。Bev:ベバシズマブ、Cmab:セツキシマブ、Pmab:パニツムマブ。
試験対象レジメン主な結果HRなど
注意。試験ごとに患者背景や後治療が異なるため、mOSは直接比較できません。 この年表は、レジメンの優劣や個人の余命を示すものではありません。 mOSは、対象集団の生存率が50%となるまでの期間です。KEYNOTE-177の成績はMSI-H/dMMRを対象としたものであり、pMMR/MSSの治療成績を示すものではありません。未到達は矢印で示しています。
原発部位の左右(側性)について。大腸がんは、原発巣が脾彎曲より肛門側にある左側と、口側にある右側とで生物学的な性質が異なります。 抗EGFR抗体の上乗せが期待できるのは主に左側です。FIRE-3の最終解析で示された傾向を前向きに検証したPARADIGMでは、左側原発・RAS野生型の一次治療において、mFOLFOX6+パニツムマブがmFOLFOX6+ベバシズマブよりOSを延長しました。現在の一次治療では、RAS/BRAFの状態に加えて側性も考慮して薬剤を選びます。
この特集で使う略語
略語意味
mCRC切除不能・転移性大腸がん
OS/mOS全生存期間/その中央値
PFS無増悪生存期間
DFS/RFS無病生存期間/無再発生存期間
ORR奏効率
HRハザード比
BSC支持療法(best supportive care)
ECOG PS全身状態の指標。0は制限なし、2は身の回りのことはできるが日中の半分以上は起きて過ごせる状態
ctDNA血液中を流れる腫瘍由来のDNA
dMMR/MSI-Hミスマッチ修復機能の欠損/高頻度マイクロサテライト不安定性
pMMR/MSSミスマッチ修復機能が保たれた状態
FTD/TPIトリフルリジン・チピラシル(TAS-102)
TNT術前に化学療法と化学放射線療法をまとめて行う集学的治療
Bev/Cmab/Pmabベバシズマブ/セツキシマブ/パニツムマブ

03 / 生存期間を延ばすことの意味

時間だけでなく、
生活と次の選択肢を守る。

症状を抑える

腫瘍による痛み、出血、食欲低下などを和らげる。

生活を保つ

副作用に対処し、できるだけ普段の生活を続けられるよう支える。

次の治療につなぐ

病勢を抑えている間に、次の薬物療法や治験、局所治療を検討する。

切除を目指せることも

腫瘍が縮小して切除可能になれば、治癒を目指す治療へ切り替える。

続けない選択も一緒に

効果と負担が見合わなくなったとき、治療を休む、変える、行わないという選択も含めて相談する。

延ばした時間に、何ができるか

では、延びた時間はどのような時間なのでしょうか。SUNLIGHTでは、FTD/TPIにベバシズマブを加えることで、生存期間中央値が7.5か月から10.8か月へ3.3か月延びました。この試験では全身状態の指標(ECOG PS)も繰り返し測定されていて、身の回りのことに介助が必要な状態(PS 2以上)になるまでの期間は、ベバシズマブを加えた群で9.3か月、加えなかった群で6.3か月でした。生存期間の差が3.3か月、PSが保たれていた期間の差が3.0か月。延びた時間の多くは、自分のことを自分でできる状態で過ごせた時間だったと読めます。

自分で動けるうちは、その人はその人のままでいられます。仕事を引き継ぐ、家族と過ごす、行きたかった場所へ行く、伝えておきたいことを伝える。何に使うかは人それぞれですが、どれも体力と判断力が残っていなければできません。薬物療法は、その時間を稼いでいます。

一方で、延ばした時間の質が問われる結果も出ています。

STELLAR-303では、生存期間中央値はザンザリンチニブとアテゾリズマブを併用した群で10.9か月、レゴラフェニブ群で9.4か月でした。その差は1.5か月です。ただし、重い副作用は前者で60%、後者で37%にみられました。治療が原因で亡くなった方も、前者で5例、後者で1例ありました。

ALTAIRでは、画像で再発が確認される前に、血液検査でctDNAが陽性となった段階から治療を始めました。しかし、重い副作用が73%にみられた一方、再発なく過ごせる期間を明確に延ばすことはできませんでした。

治療によって得られる可能性のある時間と、そのために伴う副作用や通院の負担。どのようなバランスを望むかは、患者さんによって異なります。納得して治療を選ぶためには、病状と今後の見通し、その治療に期待できること・できないことを知る必要があります。腫瘍内科の外来で話し合うのは、薬を使うかどうかだけではありません。患者さんが何を大切にし、これからの時間をどう過ごしたいかを確認しながら、一緒に治療方針を考えていきます。

※SUNLIGHTは非盲検試験で、QOLとECOG PSの解析は副次的なものです。

延ばしているのは、生存期間の数字ではありません。
その人が自分のことを自分で決められる時間です。

04 / バイオマーカーが治療を変えた例

dMMR/MSI-H
免疫療法がもたらした、治療の大きな転換。

dMMRは、DNAの複製ミスを修復する機能が失われた状態で、多くはMSI-H(高頻度マイクロサテライト不安定性)を示します。 転移性大腸がんのうち、dMMR/MSI-Hは約4〜5%です。免疫チェックポイント阻害薬の効果を予測するため、治療前に検査します。 dMMR大腸がんの約20〜30%はリンチ症候群に関連するため、検査は遺伝性腫瘍の評価にもつながります。

16.5か月
KEYNOTE-177:一次治療のPFS中央値。化学療法は8.2か月(HR 0.59)。
Lancet Oncol 2022(最終解析)
98%
NICHE-2:dMMR局所進行結腸がん111例の病理学的奏効率。pCR 68%、3年DFS 100%。非ランダム化第Ⅱ相試験。
NEJM 2024 / ESMO 2024 LBA24
86.3%
ATOMIC:切除後StageⅢ dMMR結腸がん712例の3年DFS。対照群は76.2%(HR 0.50)。
ASCO 2025 LBA1で初報告/数値はNEJM 2026(確定報告)
100%
dMMR局所進行直腸がんにドスタルリマブを6か月投与。治療完遂49例の臨床的完全奏効率。単群第Ⅱ相試験。
NEJM 2022 / 2025

略語:PFS=無増悪生存期間、DFS=無病生存期間、pCR=病理学的完全奏効。

※KEYNOTE-177のOS差は、事前に定めた統計学的有意水準には届きませんでした。ただし5年を超える追跡では、ペムブロリズマブ群のOS中央値は77.5か月(化学療法群36.7か月、HR 0.73)、5年生存率は54.8%でした。

dMMR局所進行直腸がんでは、免疫療法後に
手術や放射線治療を行わず、経過観察できる可能性が示されました。

ただし、ここは慎重に。手術・放射線治療を省略したデータは、単群第Ⅱ相試験によるものです。対象もdMMR/MSI-Hに限られます。 臨床的完全奏効は治癒と同義ではなく、非手術管理には厳密な追跡が必要です。 ドスタルリマブは、2026年8月時点で、国内ではdMMR/MSI-H局所進行直腸がんの治療薬として承認されていません。

05 / これからの大腸がん治療

課題は多い。
だから、次の世代の出番がある。

大腸がん治療は大きく進歩しましたが、まだ答えの出ていない問いが数多く残っています。臨床に残る課題を見つけ、研究の問いに変え、試験で確かめ、その結果を診療へ戻す。臨床と研究を往復しながら、よりよい治療をつくっていくのが腫瘍内科です。

2025〜2026年にも、診療を変える第Ⅲ相試験が相次いで報告されました。一方、主要評価項目を達成できなかった試験からも、次に検証すべき課題が見えてきました。

承認・保険適用について
この節には、国内未承認の薬剤・治療法、販売開始前の検査、臨床試験中の治療が含まれます。 研究結果の紹介であり、国内での使用や検査を推奨するものではありません。
  • ctDNA陽性例の再発を、どう減らすのか? DYNAMIC-IIIでは、StageⅢ結腸がんの手術後にctDNA(がん細胞から血液中に放出されたDNA断片)を測定し、陽性だった患者には、当初予定していた術後化学療法より薬剤を増やす、または治療期間を延ばす方法を検討しました。3剤併用療法のFOLFOXIRIへ変更する患者もいましたが、通常どおり治療した場合と比べて、再発なく過ごせる期間は改善しませんでした。

    ALTAIRでは、Signatera(腫瘍組織の遺伝子変化をもとに、患者ごとに作成するctDNA検査)でctDNA陽性となったものの、CTではまだ再発が見つからない患者を対象にしました。経口抗がん薬FTD/TPI(トリフルリジン/チピラシル)を6か月間投与する群とプラセボ群を比較しましたが、再発なく過ごせる期間を明確に延ばすことはできませんでした。

    ctDNAによって再発リスクの高い患者を見つけられるようになってきました。しかし、陽性になった患者に「どの薬を、いつから使えば再発を減らせるのか」は、まだ分かっていません。
  • ctDNA陰性なら、術後補助化学療法を減らせるのか? DYNAMIC-IIIでは、ctDNA陰性の患者に対して、オキサリプラチンを使用しない、または治療期間を短くする方法を検討しました。オキサリプラチンの使用や治療に伴う入院は減りましたが、治療を減らしても標準治療に劣らないこと(非劣性)は証明できませんでした。

    VEGA試験では、手術4週後にctDNAが陰性だった高リスクStageⅡまたは低リスクStageⅢ結腸がんを対象に、術後化学療法を行わず経過を見る方法と、CAPOX療法を3か月行う方法を比較しています。登録は終了し、現在も追跡が続いています。
  • dMMRに、免疫療法をいつ・どれだけ使うのか? ATOMICでは、切除後のStageⅢ dMMR結腸がんを対象に、標準的な術後化学療法であるmFOLFOX6単独と、mFOLFOX6に抗PD-L1抗体アテゾリズマブを加える治療を比較しました。アテゾリズマブを加えた群では、3年間再発なく過ごせた患者の割合が高くなりました。

    NICHE-2では、局所進行dMMR結腸がんに対し、手術前に抗CTLA-4抗体イピリムマブを1回、抗PD-1抗体ニボルマブを2回投与し、その後6週間以内に手術を行いました。短期間の治療でしたが、多くの患者で手術標本中のがん細胞が大きく減少しました。

    AZUR-2では、抗PD-1抗体ドスタルリマブを手術の前後に投与する方法と、手術と術後化学療法を中心とした標準治療を比較しています。免疫療法を手術前に使うのか、手術後に使うのか、どのくらい続けるのかが、次の課題です。
  • 転移性大腸がんの約95%を占めるpMMR/MSS(ミスマッチ修復機能が保たれた状態)に、免疫療法は届くのか? pMMR/MSSでは、免疫チェックポイント阻害薬を単独で使用しても、原則として十分な効果は得られません。

    STELLAR-303では、標準治療後のpMMR/MSSを中心とした転移性大腸がんに対し、複数のがん関連分子を抑えるザンザリンチニブと、抗PD-L1抗体アテゾリズマブの併用療法を、レゴラフェニブと比較しました。患者全体では生存期間が延びましたが、肝転移のない患者では明確な差を示せませんでした。重い副作用も増えており、この併用療法は2026年8月時点で国内未承認です。
  • 分子異常ごとの治療を、一次治療まで広げられるか? BREAKWATERでは、BRAF V600E変異のある転移性大腸がんの一次治療として、BRAF阻害薬エンコラフェニブ、抗EGFR抗体セツキシマブ、化学療法mFOLFOX6の併用を、従来の化学療法と比較しました。無増悪生存期間中央値は12.8か月と7.1か月、生存期間中央値は30.3か月と15.1か月で、予後不良とされてきたBRAF V600E変異大腸がんの治療成績を飛躍的に改善しました。この結果を受け、エンコラフェニブ、セツキシマブ、FOLFOXの併用療法は、2025年11月に国内でも一次治療として承認されました。

    HER2陽性大腸がんを対象とするMOUNTAINEER-03では、HER2を異なる方法で抑えるツカチニブとトラスツズマブをmFOLFOX6に加える治療を検証しています。KRAS G12C変異を対象とするCodeBreaK 301では、KRAS G12C阻害薬ソトラシブと抗EGFR抗体パニツムマブをFOLFIRIに加える治療を検証しています。
  • 直腸を温存できる患者を、どう選ぶのか? TNTは、化学療法と化学放射線療法をすべて手術前に行う治療です。TNT後に画像、内視鏡、診察のいずれでもがんが確認できない「臨床的完全奏効」となった場合、すぐに手術を行わず、厳密に経過を見るWatch & Waitが検討されます。

    ただし、直腸壁にがんが再び現れることがあるため、内視鏡やMRIを定期的に行い、再増殖を早期に発見できる体制が必要です。JCOG2010では、5cm以下のcT2-3N0M0下部直腸がんを対象に、この治療戦略の有効性と安全性を検証しています。
実施中・最近結果が公表された主な第Ⅲ相試験を表で見る
「介入」は試験群 vs 対照群の順に示しています。結果・登録状況は2026年8月19日時点。最新状況は各試験登録で確認が必要です。
試験対象介入状況
BREAKWATERBRAF V600E変異 mCRC・一次治療エンコラフェニブ+セツキシマブ+mFOLFOX6 vs 標準化学療法(mFOLFOX6/FOLFOXIRI/CAPOX、いずれも±ベバシズマブ)OS 30.3 vs 15.1か月(HR 0.49)。国内一次治療承認(2025年11月)
ATOMIC(A021502)切除後StageⅢ dMMR結腸がんmFOLFOX6+アテゾリズマブ vs mFOLFOX63年DFS 86.3% vs 76.2%(HR 0.50)。結果公表
STELLAR-303既治療・MSI-H/dMMRではないmCRCザンザリンチニブ+アテゾリズマブ vs レゴラフェニブITT集団のOS 10.9 vs 9.4か月(HR 0.80、p=0.0045)で達成。肝転移のない集団のOSは15.9 vs 12.7か月(HR 0.83、p=0.1185)で未達。Grade 3以上の治療関連有害事象 60% vs 37%
ALTAIR(CIRCULATE-Japan)治療後ctDNA陽性・画像上再発なしFTD/TPI vs プラセボDFS 9.3 vs 5.6か月(HR 0.79、p=0.107)で主要評価項目未達
DYNAMIC-III切除後StageⅢ結腸がんctDNAガイド下の減弱/強化 vs 標準管理ctDNA陰性:3年RFS 85.3% vs 88.1%(差−2.8%、97.5%信頼区間下限−8.0%)で、事前マージン−7.5%をわずかに超え非劣性未証明。ctDNA陽性:強化でRFS改善なし
KRYSTAL-10KRAS G12C変異 mCRC・二次治療アダグラシブ+セツキシマブ vs 化学療法ORR 47% vs 16%。PFS 7.5 vs 8.1か月(HR 0.89)、OS 21.6 vs 21.7か月(HR 0.83、p=0.09)で主要評価項目未達
VEGA(CIRCULATE-Japan)ctDNA陰性の高リスクStageⅡ/低リスクStageⅢ結腸がん経過観察 vs 3か月CAPOX第Ⅲ相・登録終了、追跡中
AZUR-2T4N0/StageⅢ dMMR結腸がん周術期ドスタルリマブ vs 標準治療(手術±術後補助化学療法)第Ⅲ相・国内登録終了、試験継続中
MOUNTAINEER-03HER2陽性・RAS野生型 mCRC・一次治療ツカチニブ+トラスツズマブ+mFOLFOX6 vs mFOLFOX6+ベバシズマブまたはセツキシマブ第Ⅲ相・登録中
CodeBreaK 301KRAS G12C変異 mCRC・一次治療ソトラシブ+パニツムマブ+FOLFIRI vs FOLFIRI ± ベバシズマブ第Ⅲ相・登録中
JCOG2010(TOWARd)5cm以下のcT2-3N0M0下部直腸がんTNT後のWatch & Wait(単群のため対照群なし)単群第Ⅱ/Ⅲ相・登録終了、追跡中
JCOG2207臨床病期Ⅲ下部直腸がんTNT(短期術前放射線療法+地固めCAPOX)+TME±選択的側方リンパ節郭清 vs 標準治療(TME+両側側方リンパ節郭清、pStage IIIでは術後CAPOX)ランダム化第Ⅲ相・登録中
JCOG1805(PanDRa-BD)再発高リスクStageⅡ大腸がん手術単独 vs カペシタビン vs CAPOXランダム化第Ⅲ相・登録中

略語:OS=全生存期間、PFS=無増悪生存期間、DFS=無病生存期間、RFS=無再発生存期間、ORR=奏効率、HR=ハザード比。

この表のいくつかは、今の学生が専門医になる頃に結果が出ます。次の問いを立てるのは、これから臨床に加わる世代です。

06 / 結論

薬物療法の価値は、
「延命」という一語だけでは表せません。

薬物療法の目標は、治癒、再発予防、症状の緩和、生活の維持、生存期間の延長と、患者さんごとに異なります。

腫瘍内科は、病気の特徴と患者さんの希望に応じて治療を組み立て、臨床で生まれた疑問を次の試験につなげます。 目の前の一人を診ることと、次の標準治療をつくることを往復できる科です。

未解決の問いは、まだ多く残っています。
見学・実習はいつでも歓迎します。外来で、患者さんとどんな話をしているのかを、一度見に来てください。

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